何かあったの?と思われそうですが、これから書くことは、オーストラリアの緩和ケアの介護を長年勤めたブロニーさんが書いた「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本の内容です。死ぬ直前に多くの方は同じようなことをおっしゃるそうです。
死に直面し、どう思われるかなど気にしなくなった時、自分は本当は、何を望んでいたのかに気づくのですね。後悔なき人生のための多くのヒントが書かれています。
後悔1 自分に正直な人生を生きればよかった。
後悔2 働きすぎなければよかった
後悔3 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
後悔4 友人と連絡を取り続ければよかった
後悔5 幸せを諦めなければよかった
自分に正直な人生を生きればよかった
これは、死に直面し、もう他人にどう思われるかなど気にしない今、どうしてもっと早くこういう気持ちになれなかったのかと後悔し、激しく苦しんでいたというグレースさんの話。
結婚したくなかったわけではなく、結婚は素晴らしいもので、結婚生活は二人で共に学び、成長していける場だと考えていたが、間違っていると思うのは、一度結婚したからには、離婚すべきではないと教えられたこと。それにしたがってずっと自分の幸せをあきらめてきた。尽くされて当然と思っている夫に人生を捧げてきたというのです。
ブロニーさんは、グレースさんにどんな時も自分に正直でいること。他人に何を言われても自分の望み通りに生きる勇気を失わないことを約束させられたと書いてあります。
働きすぎなければよかった
ジョンは言う。私はあんなに働くんじゃなかったよ。なんて愚かな馬鹿者だったんだ。私は働き過ぎたから、今こうして孤独に死んでいこうとしている。最悪なのは引退してからずっと一人だったこと。それにそんな思いをする必要はなかったってことだ。
妻のマーガレットは子どもが、皆、成人して巣立っていくと、ジョンに引退してほしいと言っていたが、仕事も好きで、地位もすごく気に入っていたジョンは、なかなか仕事をやめなかった。一緒に旅をしたいといっていたマーガレットは、引退予定日の3ヶ月前に亡くなったというのです。
より良い暮らしを求めるのは悪いことではない。でもさらに上を求め続けることになるし(自分を業績や持っているもので判断したいという気持ちの表れだから)結果的に愛情とか、自分が本当に好きなことをする時間とか、自分の人生のバランスなど本当に大事なモノから離れていってしまう。きっと大事なのはバランスだ。
仕事が好きで、力を注ぎたいと思うのは全然かまわない。けれどもっとプライベートに力を注ぐべきだったんだ。大切なのはバランスだ。バランスを失わないことだ。
思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
あんなに働きすぎるんじゃなかった。私は仕事が好きだった。本当に好きだった。あんなに働いたのは好きだったからだし、家族や親類を養うためでもあった。
オーストラリアに来てから、家族とほとんど顔を合わせない生活だったから。けれどももっと大きい理由は彼がどういう人間かを知る機会を家族に与えなかった気がしているからだ。「私は自分の気持ちを表に出すのが怖かったんだよ。だから働きずめに働いて家族を遠ざけた。あんなに寂しい思いをさせるべきではなかった。今は本当の私を知ってほしいと思っている。
そう言いながら、自分の気持ちを伝えずに亡くなった。
友人と連絡を取り続ければよかった
高級療養ホームでも入居者たちは孤独だという。
母親になって小さな可愛い娘を育てている時は何があっても娘との絆が弱まるなんてことは想像できないでしょう。娘には娘の生活があるし、手放さなきゃいけない。親は子どもが自分で飛び立てるようになるまで導く役を与えてもらっただけ。
一番さみしいのは、お友達に会えないこと。もう亡くなった人もいるし、自分と同じような状況の人もいるし、連絡が取れなくなった人もいる。ずっと連絡をとっていればよかったのよね。友達はいつもそこにいると皆思っているでしょう。けれど時が流れるといつの間にか、周りには自分をわかってくれる人も自分のこれまでの人生を知っている人もいなくなっているのよ。
友達をインターネットで探してみようと提案すると、希望と期待に満ちた笑顔でうなずいた。
幸せをあきらめなければよかった
私は今まで自分が幸せになる資格がないと思っていたのかも知れない。離婚で一族の名前と評判に傷をつけてしまった。それなのにどうして幸せになれるというの?
幸せになってもいいと思うことです。あなたは素敵な人だし、幸せになってもいいんです。自分を許して幸せになってください。
今この瞬間の幸せ
目標に向かって仕事をし、そこに至るまでの時間を犠牲にしてきた。幸せは最後の結果で決まり、その結果を出すまでの過程を楽しんでいなかったことに気づく。
捉え方の問題
幸せになれるかどうかは、その人が置かれた環境よりも積極的に幸せになろうとしているかどうかにかかっている
終わりに
この本は316ページにわたって細かい字で書かれているのですが、ポイントを抜粋してみました。
死ぬ直前に聞いたこれらの言葉は、たくさんの人が同じようなことをおっしゃるそうです。
自分に正直でいること。他人に何を言われても自分の望み通りに生きる勇気を失わないこと。
身を粉にして働いてお金を稼いでも、プライベートとのバランスが取れていなかったら、孤独な晩年を迎えてしまうこと。
自分の本当の気持ちを伝えること。
友人との連絡は取り続けること。
自分のコンプレックスで、(学歴がないからとか、お金がないからとか、顔が悪いからとか、背が低いから、もう歳だからもそうです。ここでは離婚したからですが)自分で勝手に負い目を感じて、幸せをあきらめなければよかった。先のことよりも今この瞬間の幸せに気づくこと。
今の自分を誇りに思い、自分にはその価値があると自信を持ち、幸福はすでにこちらに向かってきていると信じること。
元気で生活できている今、この本に出会えてよかった。
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