「あやうく 一生懸命生きるところだった」を読んで
寒いですね。外は雪です。いつもは、お料理の本に目が行きますが、タイトルが気になって、韓国でベストセラーだというハ・ワンさんの本を読んでみました。
結果、結論、目的ではなく、まずはプロセスである今を楽しもうという本です。
努力は必ず報われるわけではない。
今、必死に頑張っている人は、こんなこと書かれていたら、怒るかもしれませんね。
最後まで諦めるな。一生懸命頑張れ、頑張れば報われると言われて生きてきた私たちに、力を抜いて、自然体でいいんだと気づかせてくれるエッセイです。
他の選択肢はないという「執着」
作者が受験に失敗し3浪して4度目の試験で合格したという話。諦めずによく頑張ったという話かと思いきや他の選択肢はないと妄信してしまうことがいかに愚かなことかという、違った視点の話です。
大人たちは一流大学に入りさえすれば人生は必ず成功すると言っていたが、苦労して入学したというのに人生が変わることはなかった。ひたすら学費を稼ぐためのアルバイトの毎日で、大企業からのスカウトなんて噂も文字通り噂に過ぎなかった。そんな時、公務員試験に4浪して失敗し自殺した青年の話にやるせない気持ちになる。
ほんの少し頭を上げて周囲を見渡すだけで、他の選択肢が色々とあると気づくのに、執着してしまうとそれが見えなくなる。たった一つこの道だけが唯一の道だと信じた瞬間、悲劇が始まるのだ。
自尊感とは
自我尊重感情を縮めた言葉で、ありのままの自分を愛すること
ダメな自分を認めたら、自尊感が増してくる。
大切なのは「結果」ではなく「物語」
人生は結果だけでは評価できない。
「あの人はずいぶん稼いだから、成功した人生だ」
「望み通りに行かなかったら、失敗した人生だ」
どの人の人生もゴシップ記事の見出しではない。
とても長い物語、つまり小説なのだ。
誰にでも目に見えるもの以上の多くの物語がある。
この本を読んで気づいたこと
イラストとエッセイも楽しい。
自分の人生なのに自分の気持ちなのにどうして他人の評価によって大丈夫だったり大丈夫じゃなかったりするんだろう。
思っても見ないことに傷つく必要はない
先日、アコヤ貝のオリーブ漬けを姉に送ったら、すごく美味しいと珍しく褒めてくれました。
だけど、私のユーチュブを見て、モデルさんじゃない手は、あまり出演しない方がいいな〜(笑)となかなか失礼なことを言ってきました。冗談で悪気なく言っているのでしょうが、結構傷付けられている私です。
他にも、なんで料理や行ったお店をわざわざみんなに知らせなきゃいけないの。自分だけで楽しめばいいじゃん!という人もいます。
自分が思っても見ないことを、人はいろんな捉え方をするのです。
でもこの本を読んで、気づいたことがあります。
人がどう思ったということよりも自分が楽しいと思うことをやろう
私がなぜ、料理の作り方をYouTubeにアップしているのか、もちろんユーチュブで収益化できれば、老後の楽しみが増えるというのもありますが、料理教室の動画などは、みなさんと過ごすその瞬間が楽しいからです。そして、その楽しさを、いつでも見れて笑える。共有したい。私には、とても有意義な時間なのです。
同じ人生なら一生懸命よりも楽しく。結果のために耐えるだけの生き方ではなく、まずはプロセスである今を楽しもうという作者に共感です。
「天才は努力するものに勝てず、努力するのもは楽しむものに勝てない。」
本当にそうかもしれない。
一生懸命よりも「楽しく」生きよう。
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